IWC ポルトギーゼの選び方|種類の違いと中古が”定価割れ”する理由【2026年】

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IWCのポルトギーゼは、大ぶりなケースにアラビア数字とリーフ針を配した、クラシックで端正な顔立ちが魅力の人気コレクションですよね。「いつかは1本」と憧れる方も多いのですが、いざ買おうと調べはじめると、「クロノグラフとオートマティックって何が違うの?」「中古って値上がりするの?」と、意外と迷ってしまうんです。

この記事では、ポルトギーゼの歴史から現行モデルの選び方、そして正直にお伝えしておきたい中古相場のリアルまでを、2026年時点の情報で整理していきます。あわせて、買うときに間違えやすい「ムーブメントの世代」についてもハッキリさせておきますね。

目次

ポルトギーゼとは|1939年、ポルトガル人商人の依頼から生まれた

アラビア数字とリーフ針を備えたクラシックなドレスクロノグラフのイメージ

まずはポルトギーゼがどんな時計なのか、その成り立ちから見ていきましょう。名前の由来もここにあるんです。

「腕に載せる懐中時計」として誕生した

ポルトギーゼの起源は1939年。2人のポルトガル人時計卸商(RodriguesとTeixeira)が、船舶用クロノメーター級の高い精度を持つ大型のステンレス腕時計を、シャフハウゼンのIWCに依頼したのが始まりとされています。これがリファレンス325です。

当時の腕時計としては破格の約41.5mmという大型ケースで、中身には懐中時計用の手巻きムーブメント(Cal.74)を搭載していました。まさに「腕に載せる懐中時計」。この成り立ちが、大きなケース、視認性の高いアラビア数字、レイルウェイ(鉄道)分目盛、そしてリーフ(木の葉)針という、今に続くデザインの原型になったんですね。名前の「ポルトギーゼ」は、依頼主がポルトガル人だったことに由来しています。

実は「最初にポルトガルへ渡った」わけではない

ちょっと面白い豆知識を一つ。「ポルトガル人の依頼で生まれた時計」なのですが、記録上、最初の納品先はポルトガルではなくウクライナ・オデッサの卸商だったとされています(1939年2月)。ポルトガルへの記録上の初納品は1942年。しかも1939〜1981年の総生産はわずか約690本という希少さでした。「ポルトガル人が依頼したが、最初にポルトガルへ渡ったわけではない」——語れるとちょっと通ですよね。

【要注意】買う前に「ムーブメントの世代」を間違えないで

ポルトギーゼ、とくにクロノグラフを検討するなら、ここは絶対に押さえておいてほしいポイントです。中古を含めて探すと、見た目がそっくりなのに中身がまったく違う2つの世代が混在しているんです。

旧世代クロノグラフ 現行クロノグラフ
代表型番 IW3714 / IW3717系 IW3716系
ケース径 約40.9mm 41mm
ムーブメント Cal.79350(ETA/バルジュー7750ベース) 自社製Cal.69355
登場 〜2010年代 2020年〜

ポイントは、現行のポルトギーゼ・クロノグラフ(IW3716系)が2020年から自社製のキャリバー69355を搭載しているという点なんです。それ以前のIW3714/IW3717系は、汎用のETA(バルジュー7750)ベースのCal.79350でした。どちらが良い悪いというより、「自社製ムーブメントが欲しいのに、うっかり旧世代を買ってしまう」というミスマッチを避けるために、型番の確認は必須ですよ。日本語の情報サイトでも、この2世代を同列に並べて紹介しているケースが見られるので注意してくださいね。

現行ポルトギーゼの主要モデルと選び方

ドレスウォッチの文字盤とリーフ針のディテールを捉えたマクロ写真

現行ポルトギーゼには複数のモデルがありますが、まずは代表的な3つを押さえておけば十分です。

モデル ケース径 ムーブメント 特徴
クロノグラフ(IW3716系) 41mm 自社Cal.69355 定番・入門。約46時間巻き
オートマティック42(IW5017系) 42.4mm 自社Cal.52011 7日巻き・薄型ドレッシー
オートマティック40 40mm 自社Cal.82200系 やや小ぶりで扱いやすい

クロノグラフ|迷ったらまずコレ

ポルトギーゼの定番であり、入門にも最適な1本です。41mmケースに三つ目のサブダイアル、そして自社製Cal.69355。ポルトギーゼらしい端正な顔立ちを、もっとも手が届きやすい価格帯で楽しめます。ただしフライバック機能はなく、防水は3気圧なので、そこは実用面として知っておきましょう。

オートマティック42|3針で長く付き合うなら

開いた三針のダイアルに、パワーリザーブ表示とスモールセコンドを配したドレッシーなモデル。自社製Cal.52011は7日巻き(168時間)という長大なパワーリザーブが自慢です。クロノグラフの賑やかさより、すっきりとした三針で永く使いたい人にぴったりですよ。

複雑モデルも充実

このほか、ムーンフェイズを備えたパーペチュアルカレンダー(42/44mm)や、2024年に登場して時計界最高峰の賞(GPHG2024の「金の針」大賞)を受賞したエターナルカレンダー(IW505701)など、複雑機構のモデルも揃っています。価格帯は一段上がりますが、IWCの技術力を象徴する存在です。

ポルトギーゼは”定価割れ”する|数字で見る本当の価値

ここが、この記事でいちばん正直にお伝えしておきたいパートです。「高級時計だから、買えば値上がりするのでは?」と期待している方——ポルトギーゼは、その考え方とはむしろ逆なんです。

中立的な相場データ(WatchCharts、米ドル建て)によると、現行(生産中)のポルトギーゼは、国際市場でおおむね定価より30〜45%安く取引されています。たとえばクロノグラフ(Ref.371605)は、実勢が約5,026ドルに対して米国定価が約8,900ドルで、およそ43.5%安という水準です(2026年時点・目安)。ロレックス サブマリーナのようなスポーツモデルに見られる「買った瞬間に定価以上」というプレミアは、ポルトギーゼには基本的に付きません。

これは裏を返せば、IWCの自社製ムーブメントを積んだ本格機械式時計を、中古なら割安に手に入れられるということでもあるんです。値上がり益を狙う対象ではありませんが、「良い時計を適正〜割安な価格で長く使いたい」という人には、むしろ健全で魅力的な選択肢と言えます。高級時計をブランド横断で資産価値の観点から比べたい方は、高級時計は資産になる?値上がりするモデルと定価割れの実態もあわせてご覧ください。ロレックスやパテックとの立ち位置の違いがよく分かりますよ。

※上記の相場は、中立的な相場集計(WatchCharts)と中古実勢をクロスチェックした2026年時点・米ドル建ての目安です。なお日本国内の円建て相場は、円安やIWCの定価改定の影響で「値落ちしにくい」ように見えることがありますが、これはブランドプレミアムとは別の要因です。相場は日々変動し、個体差でも動きますので、あくまで参考としてご覧ください。

定価はどこで確認する?

IWCは公式サイト(iwc.com)に定価を掲載しています。ただし本記事の執筆時点では、公式サイトの日本国内定価を安定して取得できなかったため、正確な国内定価は公式サイトの各製品ページでご確認ください。参考として、海外(米国)のクロノグラフの定価は約8,900ドル(WatchCharts調べ)です。

2026年の新作|セラタニウム®のクロノグラフ

2026年のウォッチズ&ワンダーズでは、ポルトギーゼ・クロノグラフ・セラタニウム®(Ref.IW371631)が発表されたと報じられています。41mmのケース・リューズ・プッシュボタンを、軽くて硬い独自素材「セラタニウム®」で仕上げたオールブラック仕様で、1,500本の限定とされています。

※2026年新作の詳細は、現時点で正規販売店・メディア発の情報にもとづきます。型番・仕様・価格の確定情報は、IWC公式サイトでの発表をご確認ください。

ポルトギーゼに関するよくある質問

ポルトギーゼ・クロノグラフのケース径は42mmですか?

現行モデル(IW3716系)は41mmです。42mmと紹介されることがありますが、これは誤り。ちなみに旧世代のIW3714/IW3717系は約40.9mmでした。オートマティック42が42.4mmなので、そこと混同されているのかもしれませんね。

ポルトギーゼは全部7日巻きですか?

いいえ。7日巻き(168時間)なのはオートマティック(52000系ムーブメント)で、クロノグラフ(Cal.69355)は約46時間巻きです。「ポルトギーゼ=すべて7日巻き」と思われがちですが、モデルによって異なります。

ポルトギーゼは資産になりますか?

現行モデルは国際市場で定価の3〜4割安が基本で、値上がりを狙う時計ではありません。ただし、その分「本格的な機械式時計を割安に持てる」という魅力があります。値上がり益ではなく、実用と満足感で選ぶのが正解ですね。

クロノグラフとオートマティック、初めてならどっち?

賑やかで存在感のある定番が欲しいならクロノグラフ、すっきりした三針で長く付き合いたいならオートマティックです。まずは41mmのクロノグラフから入る方が多い印象ですが、手首が細めなら40mmのオートマティックも扱いやすいですよ。

まとめ

  • ポルトギーゼは1939年、ポルトガル人商人の依頼で誕生。約41.5mmの大型ケースに懐中時計用ムーブを積んだのが原点
  • デザインの特徴はアラビア数字・レイルウェイ分目盛・リーフ針
  • 現行クロノグラフ(IW3716系)は2020年から自社製Cal.69355。旧世代のETAベースCal.79350(IW3714/3717)との混同に注意
  • クロノグラフは41mm、オートマティック42は7日巻き。用途で選ぶ
  • ポルトギーゼは国際市場で定価の約3〜4割安が基本。値上がりより「本格機械式を割安に持てる」時計
  • 正確な国内定価はIWC公式サイトでご確認を

ポルトギーゼは、資産価値で語られがちな昨今の高級時計の中で、「良い時計を、実用として長く楽しむ」という本来の喜びに立ち返らせてくれる1本です。まずはクロノグラフとオートマティック、どちらの佇まいに惹かれるか——そこから選びはじめてみてくださいね。

※本記事の歴史・型番・ムーブメント情報は、IWC公式(iwc.com/press.iwc.com)および中立的な時計メディアの情報にもとづきます。定価は公式サイトでのご確認を推奨します。中古相場はWatchCharts等の中立集計にもとづく2026年時点・米ドル建ての目安です。価格・ラインナップは改定される場合があります。

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